安倍打倒・改憲阻止の農民決起を創ろう
3月18日、世話人会議を開催し、第7回総会を総括し、今年の前半の闘いを検討しました。
安倍農政に展望なし
農民にとって安倍農政に一切展望を持てないことを確認しました。「展望を持てない安倍政権を倒して、世の中を変えよう」「農民が生きられない社会を変えるために、市東さんとともに闘おう」ということを全国の農民に訴えていきましょう。
全国各地で仲間をひろげ、会員を拡大するために、集会・学習会・講演会を開催し、積極的に周囲の
農民に訴えましょう。
憲法改悪阻止へ共闘しよう
第2に、安倍政権の進める「20年新憲法の施行」を何としても阻止することです。5月3日の憲法記念日に安倍首相は改めて宣言しました。しかし、国会に憲法改正案さえ出せません。統一地方選挙でも、自民党候補は改憲を口にできませんでした。安倍の改憲プランは絶望的です。
だからこそ7月参議院選挙が重大な決戦です。ここで自民党は圧勝し、秋の臨時国会で一気に改憲に進もうとしています。
全国農民会議は「改憲・戦争阻止!大行進」運動に賛同しています。全国各地で「大行進」運動を担っていきましょう。
「大行進」運動だけでなく、各地で行なわれている改憲阻止の様々な運動に積極的に参加しましょう。そして7月参院選挙を「改憲阻止・安倍打倒」の闘いとして、自民党を叩き落しましょう。
日米貿易協議はじまる
G20農相会合が5月11~12日に新潟市で開かれます(次号で報道予定)。続いて日米貿易協議が始まろうとしています。
安倍政権は「TPP水準を約束させる」と言いますが、まったくのペテンです。それなら米政府はTPP離脱しなかったはずです。日米交渉で、TPP以上の譲歩が迫られることは明らかです。
日本の自動車業界は電気自動車開発に遅れ、大競争時代になっています。それを助けるために、農産物の関税撤廃大で日本が譲歩するのは確実でしょう。それは日本の農民を全面的に切り捨てることであり、絶対に許せません。
新潟県では「県が主体になって優良な種子を安定供給する体制を構築する」県条例が、昨年2月議会で可決され、4月1日から施行されました。
同様な県条例を、今年1月現在で兵庫・埼玉・富山・山形・宮崎の5県が制定しています。その他には北海道、長野、岐阜、福井、などで条例制定の動きがあります。中でも特徴的なのは埼玉県です。自民党の県会議員が種子法を学習し、全会一致で種子条例を可決しました。
新潟県議会は昨年9月、「主要作物種子法の復活を求める意見書」を採択しました。この意見書には自民党県議も賛成しました。新潟の自民党も官邸主導の政策には反発しているのでしょうかね。
現場はどうなっているか
新潟では昨年と同様、試験場から元になる種が種場に供給され、その種が農業改良普及センターによって検査され、合格した種が米生産農家に渡っています。しかし、廃止に沿って大きく民営化に舵を切った県は多いのです。1年目にして各県の足並みばらばらです。
全国的に調査すると(たねと食とひと@フォーラム調査より)
〇種場等の種子の生産ほ場(田んぼ)を廃止した県が、東京・栃木・群馬・石川・三重・和歌山・
愛知・佐賀の8県。
〇生産ほ場を指定から承認・届出に変えたのは、青森・宮城・長野の3県。
〇独自の要領を作成したのは、条例を策定しない大半の県。
〇民間との共同開発は、愛知・三重・兵庫(JAと連携)の3県
何が心配されるか
すぐに現れる変化は種場の廃止でしょう。新潟県では17カ所730haの種場があります。種子の生産は品種が混ざっては大変です。細心の注意と技術が必要です。種を傷つけては発芽等を著しく低下させるので、「種取り用」のコンバインと乾燥機等が必要になります。価格が補償されなくなり、コンバイン等が不要になれば今までの投資や技術が無駄になります。これがもう具現化している県があるのです。
次に県の農業試験場の縮小廃止でしょう。民間が種子生産に参入しても、これまで通り県の試験場が種子を開発したり供給すれば、民間の企業は競争できるはずがありません。外国企業ならISD条項に違反すると国や県を訴えることになります。そうなれば外圧に弱い(言うことを聞く)わが国政府はただちに法をもって、試験場を廃止するでしょう。
その前に企業は、それまで蓄積した各県試験場の育種や品質の知見をすべて吸収してポイでしょう。
地方の特徴が破壊される
全国48都道府県それぞれが、農業試験場を設置しています。それは種子法によって国の予算的裏付けがなされていたからです。ですからそれぞれの県で、その地方に合った品種を作って、奨励品種にして県下に供給普及していたのです。現在日本で作られている農産物の品種は500種とも言われています。
企業が利益を確保するためには品種の数を絞るでしょう。結果はどうなるでしょう。地域性を無視しますから、気候が少し変化すれば収量は大きく揺れます。収穫が少なくなり農家収入が激減しても、政府はたぶん補償しません。
もっとも恐ろしいのは、突然今までなかったような病気や虫が発生した時です。各地域に多様な品種が栽培されていれば、数ある中にはそれにかからなかったり、食べられなかったりする品種があります。現にいもち病が発生した時、それにかかりにくい品種が発見され、その品種を栽培して当面は収量を確保して、次にその特性を他の品種に入れて危機を脱したという事例がいくらでもあります。
タネを制し世界を制する
地域性、品種の多様性は極めて重要なのです。
今販売されている野菜の種は、農業試験場で開発されたものではありません。その大半はF1(エフワン)と言って、「このトウモロコシはおいしい」からと種を取って来年まいても、同じトウモロコシは取れません。同じものが欲しかったら種を買うしかありません。農家が毎年種を買ってくれるから企業は儲かるのです。
20年前、私は遺伝子組み換え反対の運動でシアトルを訪ねました。その時アメリカの友人が私に、ターミネータ技術なる英文の本をプレゼントしてくれました。その内容は芽が出ない種子を遺伝子組み換えによって作る技術です。これを実現する技術を人類は完成しているというのです。
種子はすべての生命の源です。「種子を制する者は世界を制する」ーこれが自然界に出てしまえば生物は絶滅するしかないのです。幸い現在この技術は凍結されています。
(小千谷支部・堀井修)
3月9、10日、阿賀野市で開かれた百姓塾に参加した。堀井修さんが毎年開い
ている集まりで、参加者は40名あまり、農民だけでなく、農協職員、県の農政担
当者、生協関係者など文字通り「堀井人脈」の多士済々の集まりだった。
発題者は、労働者協同組合運動を行なう高見優さん、元JA新潟中央会専務理事
の重野徳夫さん、新潟大学農学部の伊藤亮司さんの3人。
JA合併に危機感
全国でJA合併が進んでいるが、新潟県は今後5年間で5つに統合すると昨年の総会で決めた。しかし組合員の中での議論は必ずしも活発ではない。重野氏は「組合員不在のマンモス組織だけが残るような農協合併は時勢の流れに逆行する」と、批判した。
討論の中でも「合併ありきの議論が進められている」「農家の現場から離れていったJA、信頼がなくなるのは当然。合併でますます信頼がなくなる」と懸念が出された。「農民の運動があって農協がある」という意見こそが、JA改革の真の方向性を示していると思う。
家族農業保護が時流
伊藤亮司さんがG20農相会合をめぐる提起。18年国連総会で「小農の権利宣言」が可決されたが、日本政府は棄権したという。「小農」というのは、家族農業だけでなく、コミュニティとして小さい規模の農的生産を行なうことを目指している人のこと。日本の農家の99・9%が「小農」に当たる。この宣言の中で「加盟国は、小農と農村で働く人々の人権を尊重と強化を確実なものとするために、すべての必要な措置をとる」となっている。
安倍農政は「小農の権利宣言」に逆行して、G20農相会合でも骨抜きにしようと企んでいるという。
(事務局・山口)
福島
8年目の3・11 ―復興キャンペーンと対決する
3月11日に福島県郡山市で、3・11反原発福島行動19が開催され、700人が集まった。
雨が降り風が吹く中、午後1時に集会が始まった。主催者あいさつに立った動労福島の橋本光一委員長は「避難指示解除や安全復興キャンペーンで県民意識も復興に向かっているような報道がされています。しかし、汚染水も汚染土も現実には何も解決していません。甲状腺がんは300人とも言われている」「動労福島は被曝労働反対!常磐線延伸阻止を掲げて3月15日にストライキをやります。ここから反撃です。原発事故の責任を取らせ、原発を廃炉にしましょう」と呼びかけた。
再稼働阻止、被曝労働拒否の闘いを全国で
集会では、浪江町の「希望の牧場・ふくしま」の吉沢正巳代表が「3・11は終わっていない」と訴えた(発言別掲)。動労水戸の石井委員長、愛媛県職労の宇都宮書記長、京都府職労舞鶴支部の長岡支部長が、被曝労働拒否と再稼動反対を自らの職場から闘う決意を語った。
全国農民会議から鈴木光一郎共同代表が「放射能の被害は今も続いています。国と権力、東京電力に対して断固として声を上げていきます」と決意表明。三里塚芝山連合空港反対同盟の伊藤信晴さんも市東さんの農地を死守する決意を語った。
福島からの報告では、福島診療所建設委員会の佐藤幸子さん、ふくしま共同診療所院長の布施幸彦さん、NAZENふくしまの椎名千恵子さんが訴えました。ふくしま共同診療所の社会的位置がますます高まっています。県外の保養参加者たちが自分と子どもの命を守りたいと「診療所とともに歩む会」を結成したことも報告されました。
地震が発生した午後2時46分に参加者全員で黙祷を行ない、集会後は郡山駅までのデモに出発。スローガンは「福島は絶対負けない! なくそう!原発とめよう!改憲・戦争」だ。途中、何人もの市民がデモ隊に手を振ったり、笑顔でこぶしをあげ
たりして応えてくれた。
原発事故から8年の福島行動は、政府の復興キャンペーンによる分断を闘いでのりこえる反原発運動の新たな出発点となった。
復興オリンピックなんてまやかしだ
希望の牧場・ふくしま代表吉沢正巳さん
あれから8年。復興なんて盛んに言ったって、私たちの浪江町が絶対に元に戻らないことはもうみんながわかっています。4千棟の住宅解体工事で浪江町は更地になります。中心部でも農村部でも、更地、更地、更地。どんなに除染をしたって、やっぱり放射能は残っている。どんなに避難解除したって、もうみんなは帰ってこない。住民2万1500人のうち、避難者は7千人が県外に、残りは福島県内の方々に行ってしまった。今、浪江町に住んでいる人は4%、800人です。福島県の内堀知事が「復興オリンピックを福島から応援しよう」と言っていますが、復興五輪なんか、まやかしじゃないか! 誰のためのオリンピック、誰のための復興なんだ。国と東京電力、ゼネコンが結託して裏金をもらい、浪江町の請戸(うけど)漁港では、200億円も使って堤防や港、競り市場の工事をやっています。一方で、南5㌔メートルの距離で第一原発の汚染水を流すといっている。なんでこんな矛盾したことが、巨額の金を使って進むのか。
安倍のオリンピックに協力しようというキャンペーンは安倍政治を応援しろという話じゃないですか。ふざけるなですよ。3・11は終わっていない。戦争の時代、原発の時代への逆戻りに対して闘いを続けなければならないと思います。
「被曝・医療福島シンポジウム」に参加して
福島市で3月10日、「第3回被曝・医療福島シンポジウム」が開催され、福島県内と全国から200人を越える参加者で、大盛況でした。安倍政権の卑劣な被曝と帰還の強制に、福島の苦悩と悲しみが大きな怒りとなっていることを感じさせるシンポでした。
3人の提起者は、琉球大学名誉教授の矢ケ崎克馬さん、南相馬市の病院長・渡辺瑞也さん、韓国・東国大学医学部教授のキムイクチュン(金益重)さんでしたが、私は途中参加で会場との討論が印象に残りました。
福島市の農民の方が「玄米25ベクレル以下なら、精米して炊飯すれば1ベクレル以下になる。食べてほしい」との持論を展開すると。矢ケ崎さんは「食べて応援、年配者は大丈夫の考えは危険である」と譲りませんでした。
参加者のみなさんがどのように感じたのかはわかりませんが、8年経っていくらか議論がかみ合ってきたように感じました。そもそも日本の農民は生活と営農のためにチッソの硫安を使い、住友化学や三井化学の有機リン剤を浴び、ネオニコチノイドを浴び、モンサントのグリホサートを浴びてきました。そしてこの8年間、自らは被曝しても0ベクレルの農産物を提供するために苦闘してきました。
数字で安全は保障されません。「安全」ではなく「安心」、自分は何ベクレルなら受け入れられるか、それぞれあっていいし、違っていても団結して共通の敵と対峙することはできると思うのです。
復興キャンペーンとの対決の立ち位置さえしっかりしていれば、些細な相違で分断・分裂するのは敵の思うツボであり、それは8年の教訓であるはずです。福島県の中通りの100万人の避難移住、10万人の農民の代替え地確保ができないなら、その現実の渦中の人々の生存と生活とどう折り合いをつけるかです。
「カネより命が大切」といっても、命をすり減らしながらカネという不本意な現実を受け入れるしか生られないのも現実です。「不本意な現実」を相互に受け入れて、共通の敵と対決するという原則こそが大事なのではないでしょうか。(山形・小関恭弘)
3・31三里塚集会に全国から460人
3月31日、三里塚芝山連合空港反対同盟の主催する全国総決起集会が成田市赤坂公園で開かれ、全国から460人が集まりました。
主催者あいさつで萩原富夫さんは、市東さんの農地をめぐる緊迫した攻防が続いていることを訴え、NAAが進める空港機能強化策(第3滑走路建設)を徹底的に弾劾しました。基調報告で伊藤信晴さんは、「①請求異議控訴審に勝利し、強制執
行を阻止しよう。新たな要望書を集中しよう。400万円カンパを集めよう。②空港機能強化は住民無視の暴挙だ。深夜飛行時間の延長を許さない。③関西生コン支部への不当弾圧、沖縄の辺野古新基地建設、福島切り捨てを許さない。改憲攻撃を打ち砕こう」と3点の方針を打ち出しました。
全国農民会議も全国各地から参加し、登壇しました。秋山事務局長が2月に成田市で第7回総会を行ない、現地視察したことを報告し、「今、三里塚で起きていることと、日本全国の農家の置かれていることは本質的に同じだ。私たちは農民の名において市東さんとともに闘い抜く」と決意を述べました。
集会後は、空港関連で働く労働者が多く住む成田ニュータウンの大通りを、意気高くデモ行進。ちょうど花見の行楽日和で、多くの市民・家族連れが注目していました。
市東孝雄さんの集会発言
今、安倍が大うそをついていますね。(辺野古新基地建設への沖縄の怒りに対して)「真摯に向き合い、寄り添う」と言うが、どこが寄り添っているんだということです。
そして、国策を進めるための国家権力の横暴が続いております。しかし、誰かが声を上げなければ、何もしないうちにやられてしまいます。ですからみなさん、共に声を上げていただきたいと思います。動労千葉、そして関西生コン支部への弾圧を絶対に許すことができません。
これからも労働者、市民、学生と団結し、三里塚の勝利まで、「闘魂ますます盛んなり」の言葉とともに勝利まで闘います。
#
by nominkaigi
| 2019-05-12 20:06
| 記事
#
by nominkaigi
| 2018-10-18 10:47
| 記事