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春の風物詩―枝焼き


農業が悪者にされるSDGs?

 北国の春は駆け足で来る。実家は果樹農家だった。子どもの頃、春休みは剪定した枝を拾い集め、燃やすことが日課になっていた。ラジオからは甲子園の高校野球が流れていた。
 最近知った話では、この枝焼きが問題になっているらしい。二酸化炭素を排出するからと。山梨大学は県との共同研究で、剪定した枝の炭化を行なっているという。SDGs(持続可能な社会)の一環らしい。しかし昔より枝焼きが増えているのだろうか。
 最近のベストセラー『人新世の資本論』(斎藤幸平著)の冒頭に、「SDGsはアヘンである」と指摘し、気候変動対策の根本的問題は資本主義体制そのものを変更することと言い切った。なるほどと思う。
 ヨーロッパでは昨年夏~秋に、畜産業が二酸化炭素を排出しているとの政策転換に反発して、農民デモが闘われた。「牛のゲップで地球が温暖化している」―とんでもない論理だ。もっと他のところに原因があるだろう、言いがかりもはなはだしい。農民たちが怒るのは当然だ。
 日本の農民も時流に流されすぎてはならない。社会の生産活動を担っているものとして、言うべきことは口に出していくことが必要だと思う。何から何まで儲け第一で、私たちの社会は成り立つのか、そのことを考えるときに来ている。

by nominkaigi | 2021-04-05 09:41 | 安倍農政批判